俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
夕方六時前、うちに帰るとリビングがパーティー使用になっていた。
七菜と谷川君が昼から頑張って飾りつけをしたらしい。
料理も何も買ってこなくていいよと言われ、本当に手ぶらで帰ってきたけどオードブルなどが用意されていた。


「それでは、美月、お誕生日おめでとー!」


七菜の掛け声でパーティーが始まった。
パーティーと言っても今までたまに四人で食事をしてたのとあまり変わらないが、私の飲み物がジュースからお酒に変わった。


「どうですか、お酒の感想は?」


先に二十歳を迎えお酒を飲んでいた七菜がお姉さんぶって聞いてきくる。


「おいしいよ。でもビールはちょっと苦いから苦手かな。」


祐世のビールを少し飲んでみたが苦くて美味しくない。
まだまだお子ちゃまの私には甘めのチューハイが丁度だった。


「ジュースみたいで美味しいからって飲み過ぎるなよ。それと俺がいないとこで飲むの当分禁止な。」

「わっ、なにそれ!嫉妬丸出しー。ってか帰ってきた時から気になってたんだけど、そのお揃いの指輪、何!」

「祐世の執着心の表れだよなー。」

「うるせえ!周りに対する牽制だよ。美月は俺の彼女だ、手え出すなってな。」

「うわー、素直に認めたよ。」


楽しい夜はあっという間に終わった。『おやすみ』そう言って二人が帰ったリビングには・・・、酔いつぶれ眠った七菜がいた。


「七菜―。ベッドで寝ようねー。」


何とか七菜をベッドに連れて行きリビングを一人で片づけた。
うーん、私のためのパーティーじゃなかったっけ?七菜さん。

翌朝、起きてきてキレイに片付いたリビングを見た七菜が土下座をする勢いで『ごめーん、主役に一人片付けさせて!』と謝ってきたのだった。



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