俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。


「よっ、祐世。」


デスクで昼からの会議に向け資料をチェックしていると戸塚天がやって来た。
こいつは社長秘書の倉橋さんの甥で将来俺の右腕候補。


「天、お前研修は?」


俺と同じく去年の夏から仕事をしているが、一応今年の新入社員と言う事で入社式にも普通の社員と同じく出席している。


「昨日の式と研修は受けたよ。今日からは各自配属された部署での研修だから、俺もここ営業一課で研修。まあ俺も研修は去年終わってるからお前と一緒で普通に仕事だけどな。」


『そんな事より、見たよ彼女。かわいいなー。』と。
こいつはこの社内で俺に恋人がいて、しかも偶然に彼女もここ有知商事に受かり入って来ることを知っている。


「なあ、まだ彼女に伝えてないんだろ?お前がここにいる事。」

「ああ。次の週末は仕事も入りそうにないから会って話そうと思ってる。」

「うん、早い方がいいかもね。」


なんだ、その含みを持たせた言い方は。
俺が眉間に皺をよせているのを見てケラケラ笑いながら天から言われた言葉に焦った。


「祐世のそんな顔初めて見たかも。彼女、美月ちゃんだっけ?入社式で早くも同期のやつらに人気出てたぞ。まあ彼女の近くには高橋さんと横井と森内がずっといたから直接声かけるヤツいなかったけどな。」

「誰れだよ、その三人。」

「インターンで同じだった仲間?高橋さんは広報、横井と森内は営業。二人とも二課か三課だろうけどな。」

「お前、詳しすぎねえ?」

「祐世の将来の右腕、優秀でしょ?」



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