俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side23

仕事が始まって初めての週末、久しぶりに祐世から電話がかかってきた。


「なかなか連絡できなくてごめんな。」

「忙しそうだね。あいかわらず。」


皮肉を込めて言ってみた。
自分でも嫌な奴だなーって思うけど、四月になったのに就職先も知らされないんだからこれぐらい言っても許されると思う。


「ごめん。」


何に対してごめんなんだろう。

久しぶりに祐世の声を聞いて嬉しい気持ちと腹立たしいし気持ちが自分の中で争ってよくわからなくなってきた。


「美月、明後日の日曜日空いてる?

「空いてるわよ。七菜ももういないし、バイトもないし、誰かさんが全く相手してくれないから、ここ数週間はずっと予定は空欄のままだから。」


はあ、自分でも可愛くないと思う。


「そっか、ごめん。」


でもほら、今日電話してきても『ごめん』しか言わないんだもん。


「久しぶりに何処か出かけて食事でもしない?話したい事もあるし。」


話したい事・・・。

はあ、ついに時が来たのかな・・・。

『わかった。』そう返事をし、電話を切った。

祐世と会えない日が多くなり、今までの彼なら私が一人暮らしを始めたとなれば心配で飛んできただろうが、それも無かった時点で何となく覚悟はしてたはずだったのに・・・。



< 85 / 167 >

この作品をシェア

pagetop