俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
翌日、出社すると営業部の入り口近くに配された秘書課のデスクに美月がいた。

昨日、電話で話せた事もあり気も緩くなって顔に出ていたのか、自分のデスクに着くなり天に『何かいいことあった?』と突っ込まれた。自分は顔に出るタイプのはずじゃないが、ずっと気になっていたことが一歩だが前進したのが嬉しくて珍しく顔に出てしまっていたのか、それとも天が鋭すぎるのか。


「まあな。やっと一歩進んだからな。」

「へえ、やっと話をする事、腹をくくったんだ。」


やっぱり天は全てをわかって聞いてきたのか。
これから先もこいつには隠し事は難しそうだな。


今週の俺は凄かった。天にも『ちょっと飛ばし過ぎじゃない?』と言われたが、土曜日の午後からの予定は絶対にキャンセルが出来ない。いやしたくない。
今回ばかりは土曜昼間の仕事以外の予定は絶対に入れないと社長から声がかかっても完全に断った。

そしてやっと待ちに待った土曜日。
仕事を予定通りに三時には終え、家に急いだ。

ドアを開けると部屋の中から出汁のいい香りが漂ってくる。
何がいい?と聞かれ、外食かコンビニ弁当が多いから和食が食べたいと答えた俺のリクエストに応えてくれているようだ。『ただいま』と声をかけるとベッドルームからひょっこりと顔を覗かせ『おかえりなさい』と笑顔を見せてくれる美月。

やっと止まっていた時間が動き出した。






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