俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
数日後の昼休み、久しぶりに美那と時間が合い食堂に行った。


「ねえ、横井が言ってたけど仁見さん神崎さんが来るって聞いて急に行くって言いだしたんだって?」

「う、うん。」

「居酒屋になんて行けないって言った直後に意見変えるって引くわー。」


祐世と付き合ってる事は美那にも言ってないから仁見さんの見るからに祐世狙いな態度が気になっても相談出来ないでいる。



同期会当日、祐世と戸塚さんを入れた同期三十四人中なんと二十八人もが出席をした。


「凄いね。神崎さんと戸塚さんが出席って聞いてきた人もいるって。女子は狙い目的なのはわかるけど、同性にも話がしてみたいって言ってる人もいたって。・・・・って何あれ。」


美那と他の同期の女子四人で席に着いたところで美那が向かい側の席を見て言葉を詰まらせた。
部屋に入ってきた祐世と戸塚さん。そして一緒に仁見さんも来た。
私が一緒に行く?って誘ったら断られたんだけど・・・。
そして当然のように祐世の隣に座った。

周りには男性ばかり、同じ課の私の横もまだ空いてるし、数席離れた所には総務課や経理課の女性がいるのにも関わらず。


「うわー、あの席に当然のように座るのすごっ!」

「彼女、アルクフードのお嬢様なんでしょ?入社試験もなしでコネ入社、もしかして神崎さんの婚約者候補とか?」

「うそー。だから同じ営業一課?折原さんがいるのに何でって思ってたけど。」


会が始まると周りで女子達がざわざわとそんな話を始めた。
今付き合ってて彼女なのは私だけど、結婚となると次期社長だもん、どこかの令嬢とかとになって、私とも・・・。
またマイナス思考にどんどんなっていく。


「それはないんじゃない?だって見て、神崎さん完全無視状態よ。男性たちと話盛り上がってるみたいだし。」


美那の言葉で目を向けると、確かに祐世は仁見さんに背を向け気味で戸塚さんや前に座っている他部署の人と話が盛り上がっているようだ。
仁見さんはと言うと、男性の中にポツンと女子一人で周りの男たちが気を使って話かけている。

会も一時間を過ぎれば、みんな最初にいた席を動きだした。
祐世と戸塚さん、仁見さんは動かないけど。
祐世の前の席が空いたとたんに女子達が群がって行った。





「飲んでるかー?って折原全然飲んでないじゃん。」

「私、あまり飲めないからね。」

「横井、美月の事酔わせてお持ち帰りとか思ってないでしょうね。ねえ、それよりアレなに?」


アレとは仁見さんの事なのだろう。美那が顎でクイッと指してたから。


「あれねー。参ったよホント。俺も神崎さん達と話したかったのに一人ポツンといたら放っておくの可哀そうじゃん?俺あそこいる間ほとんどお嬢様の守だぜ?声かけてもツンとした返事しかしないのに。俺頑張った、褒めて。」

「そっか、頑張ったね、よしよし。」


そう言いながら横井君の頭を撫でる美那、この二人がいるとホント面白い。
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