幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「……ポルターガイスト」


「ポルター、なに?」


あたしは藤原を振り返る。


「ポルターガイスト。日本語では騒々しい幽霊っていう意味。誰も手を触れてないのに物が動いたり音がしたりする心霊現象だ」


「これがそれだって言うの?」


「分からない。けど、そうとしか考えられない」


あたしたちは顔を見合わせる。


藤原が言うことはあまりにも的を得ていた。


これが人間の仕業じゃないことくらい、馬鹿なあたしでも分かる。


藤原が話している間にも、ポルターガイストやらは酷くなって、あたしは倒れてきそうなラックを慌てて押さえ付けた。


「ねぇ、これ出られなくなったらどうするの!?」


「知るか!……くそ、一か八かだ」


藤原は舌打ちをして、ポケットの底を探ると、そこから取り出した白いものを部屋に散らした。


途端に白川先輩が握っていたドアノブが回る。


「ぅわ」


最初に白川先輩が勢いよく転がり出て、薄暗い部室に光が入り込む。
< 12 / 75 >

この作品をシェア

pagetop