幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「とにかく私たちも出よう…!」


美保さんがそう言って、とにかく逃げたい一心であたしたちも部室を出る。


あたしたちが部室から出た瞬間、ラックの1番上にあったダンボールが崩れ落ちた。


岩橋さんはドアの前で尻もちをついたまま、口元に手を当て、カタカタと震えていた。


白川先輩は岩橋さんに手を貸しながら口を開く。


「……藤原、お前何したんだ?」


「塩。今朝買った天ぷら弁当に付いてました。俺天つゆ派なんで一応ポケットに」


「やっぱりそういう知識あるんじゃん。ポルターガイストとか」


「清め塩は常識だし、ポルターガイストはこの間ソニクソンから発売されたMidnight Attack II禁じられた呪文の第7章でクロが侵入した洋館で描写があって、それ以降はクロの周りでオカルト的な超常現象が起こるようになったから、アールが研究対象にするように」


「雅くん、分かったからもういいよ……」


美保さんは右手で額を抑える。
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