幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
気がつくと妙な音は聞こえなくなっていて、ゾッとすることに、散乱した小道具はまるで何もなかったかのように元の位置に居座っていた。
何もかも、元通り。
そんなはずはないのに。
あたしはドアの前に座り込んで、震える体を抱きかかえた。
「ずいぶん熱烈な歓迎だな」
白川先輩の苦々しい声が、あたしたちの沈黙の上に落ちる。
ここで、あたしたちには解決できないと逃げることもできるんだ。
だって、あたしたちは拝み屋じゃないし、除霊なんかも出来ない。
こんなに怖い思いだって二度としたくない。
学校に報告して部室を移して貰えばいい。
それくらい許されるはずだ。
でも、あたしは見つけてしまった。
部室の壁にマジックペンで書かれた落書き。
卒部生たちと思われる名前だった。
上に行くほど薄くなって汚れみたいになってるけど、誰も消さずにそのままにしてあった。
ここはこの演劇部の歴史を見守ってきた、大切な場所なんだ。
あたしたちが文句を言いながらも、生徒会室に集まるように。
「あたし、何もできないけど、力になりたい。知らないふり、したくないよ」
綺麗事かもしれないけど、このまま逃げてしまうよりずっといい。
あたし、震えてるけど生きてるし。
なんでも慣れたら平気って言うし。
うん、大丈夫。
まだ頑張れる。
何もかも、元通り。
そんなはずはないのに。
あたしはドアの前に座り込んで、震える体を抱きかかえた。
「ずいぶん熱烈な歓迎だな」
白川先輩の苦々しい声が、あたしたちの沈黙の上に落ちる。
ここで、あたしたちには解決できないと逃げることもできるんだ。
だって、あたしたちは拝み屋じゃないし、除霊なんかも出来ない。
こんなに怖い思いだって二度としたくない。
学校に報告して部室を移して貰えばいい。
それくらい許されるはずだ。
でも、あたしは見つけてしまった。
部室の壁にマジックペンで書かれた落書き。
卒部生たちと思われる名前だった。
上に行くほど薄くなって汚れみたいになってるけど、誰も消さずにそのままにしてあった。
ここはこの演劇部の歴史を見守ってきた、大切な場所なんだ。
あたしたちが文句を言いながらも、生徒会室に集まるように。
「あたし、何もできないけど、力になりたい。知らないふり、したくないよ」
綺麗事かもしれないけど、このまま逃げてしまうよりずっといい。
あたし、震えてるけど生きてるし。
なんでも慣れたら平気って言うし。
うん、大丈夫。
まだ頑張れる。