幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「あ、もう終わっちゃいます?」
「うん。私こういう怖いのダメで……わざわざ着いてきてもらっちゃって」
「気にしないで下さい。あたし、少しは役に立ちました?」
理香さんは少し笑って首を縦に振る。
「よかったぁ。これで情報もなければみんなに怒られるところでした。……あ、あたしもうちょいここにいてもいいですか?鍵もあたしが返しておきますから」
「でも、大丈夫……?」
理香さんは両手をぎゅっと握り締める。
正直に言うと、やっぱり不安。
何があるか分かんないし、怖いことはできる限り避けたいし。
でも、何かが引っかかる。
「うちの会長が情報情報って煩いんで」
なるべく理香さんを怖がらせないよう、あたしはにへっと笑ってみせる。
理香さんは少し戸惑いながらも体育館の鍵を渡してくれる。
「あの、委員会にも顔を出すけど、落ち合えなかったら日菜子先輩こっちに戻ってきちゃうかもしれないから、その時は部活を早く切り上げたって伝えといて貰える?」
「了解です。それじゃあ」
「本当にありがとう」
理香さんはそう言って頭を下げると、小走りで入口で待っていた同級生たちと合流し、体育館を出ていった。
「うん。私こういう怖いのダメで……わざわざ着いてきてもらっちゃって」
「気にしないで下さい。あたし、少しは役に立ちました?」
理香さんは少し笑って首を縦に振る。
「よかったぁ。これで情報もなければみんなに怒られるところでした。……あ、あたしもうちょいここにいてもいいですか?鍵もあたしが返しておきますから」
「でも、大丈夫……?」
理香さんは両手をぎゅっと握り締める。
正直に言うと、やっぱり不安。
何があるか分かんないし、怖いことはできる限り避けたいし。
でも、何かが引っかかる。
「うちの会長が情報情報って煩いんで」
なるべく理香さんを怖がらせないよう、あたしはにへっと笑ってみせる。
理香さんは少し戸惑いながらも体育館の鍵を渡してくれる。
「あの、委員会にも顔を出すけど、落ち合えなかったら日菜子先輩こっちに戻ってきちゃうかもしれないから、その時は部活を早く切り上げたって伝えといて貰える?」
「了解です。それじゃあ」
「本当にありがとう」
理香さんはそう言って頭を下げると、小走りで入口で待っていた同級生たちと合流し、体育館を出ていった。