幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「それよりそこ、変じゃないっすか?」
どこ?と尋ねるあたしに、藤原は顎で白川先輩の後ろを示した。
部室のラックは入口と対角になる隅に、図書館の書架のような形で平行に並んでいる。
それはだいたい部屋の5分の3くらいを占めていて、結構なダンボールが収納されていた。
藤原が示したのは手前から2番目のラックだ。
一見なんの変哲もないラックだが、よく見るとそのラックの足元には通路にまで及ぶ荷物の山があった。
ダンボールの状態からして、随分前からそこに置いてあるようだ。
他にも置くところがあるのに、わざわざ床置きにしなくてもいいんじゃなかろうか。
まるで、何かを隠すような……。
「動かしましょう」
藤原があたしと美保さんと入れ替わるように部室の中に足を踏み入れる。
あたしは万が一にも閉じ込められたりなんかしないように、部室のドアノブをぎゅっと握って、美保さんと一緒に藤原と白川先輩の様子を見守った。
「慎司くん、そっちの端持って下さい。……そう。321で上げます……3、2、1」
藤原の掛け声に合わせて大きめのダンボールが持ち上がる。
その下に現れたものに、あたしは鋭く息を呑んだ。
何かの液体が零れた跡のように広がった黒い染み。
時を経て乾き、薄くなっているようにも見えるけど、嫌な予感が汗となって顎を伝った。
これってもしかして、全然こんなの見た事ないけど、血────
どこ?と尋ねるあたしに、藤原は顎で白川先輩の後ろを示した。
部室のラックは入口と対角になる隅に、図書館の書架のような形で平行に並んでいる。
それはだいたい部屋の5分の3くらいを占めていて、結構なダンボールが収納されていた。
藤原が示したのは手前から2番目のラックだ。
一見なんの変哲もないラックだが、よく見るとそのラックの足元には通路にまで及ぶ荷物の山があった。
ダンボールの状態からして、随分前からそこに置いてあるようだ。
他にも置くところがあるのに、わざわざ床置きにしなくてもいいんじゃなかろうか。
まるで、何かを隠すような……。
「動かしましょう」
藤原があたしと美保さんと入れ替わるように部室の中に足を踏み入れる。
あたしは万が一にも閉じ込められたりなんかしないように、部室のドアノブをぎゅっと握って、美保さんと一緒に藤原と白川先輩の様子を見守った。
「慎司くん、そっちの端持って下さい。……そう。321で上げます……3、2、1」
藤原の掛け声に合わせて大きめのダンボールが持ち上がる。
その下に現れたものに、あたしは鋭く息を呑んだ。
何かの液体が零れた跡のように広がった黒い染み。
時を経て乾き、薄くなっているようにも見えるけど、嫌な予感が汗となって顎を伝った。
これってもしかして、全然こんなの見た事ないけど、血────