幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「うわ……ッ」


勢い余って地面にもんどりうったあたしたちは、お互いの無事を確かめると、力が抜けたように塩まみれになって仰向けに寝転んだ。


「大丈夫!?」


美保さんと白川先輩が真っ青な顔で駆け寄ってくる。


あたしは肩で息をしながら、「なんとか」と声を絞り出した。


部室は先程と何も変わらず、不気味なほど静かな空気が流れている。


“何か”があたしを見つめて、突然腕を引っ張られたのだと伝えると、3人のただでさえ青い顔はさらに血の気を失った。


3人がずっとあたしのことを見つめてるから、不思議に思って視線の先を辿って、あたしは息を呑んだ。


左腕には赤黒く変色した、手形の痕があった。
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