幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
しばらくは時系列ごとに整理した出来事や所感をホワイトボードに書き写したり、手がかりになりそうなものを読み漁ったり、時々鍵の返却や生徒会の仕事もこなしつつ、午前中を過ごした。


途中昼休憩でコンビニに出ることもあったけど、最近はずっと学校に缶詰状態だ。


それでもできることには限りがあって、あたしたちはぼんやりと、完成したホワイトボードを眺めていた。


不意に、ホワイトボードを確認していた白川先輩が、微かに目を見開いて小さく呟いた。


「まさか……」


しかし、そこまで言って口を噤み、そのまま深く考え込んでしまう。


「白川先輩?」


「……いや、昨日の部室の件で少し引っかかることがあって」


「あたしが腕掴まれたやつですか?」


「その前。灰野の先輩が部活に来なくなった話」


その場にいる全員がハッとする。


あの時、確かに感じた既視感。


どこかで聞いた、複雑な感情。


それを辿ると、ひとつの可能性に辿り着く。


その可能性は考え得る限り、今までに1番真実に近く、辻褄が合うものだった。


「もしかして、共鳴してる……?」
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