幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「それで、目安箱の中にこれが入ってたのね?」


美保さんの確認に、あたしはコクリと頷く。


机の上には、例のルーズリーフが広げられていて、あたしたちはそれを囲んで覗き込んでいた。


「いたずらか?」


「それなら名前書かないんじゃないっすか」


「そうよねぇ」


廊下で見た時には気が付かなかったけど、ルーズリーフの右下には、小さな文字で書いた本人と思しき名前が記されていた。


『3年 岩橋京子』


3年ってことは白川先輩と美保さんの一個上か。


関わったことはないけど、確か演劇部の部長さんだ。


「しかも“呪われている”ねぇ…」


白川先輩は眉間に皺を寄せて腕を組む。


うちは別に七不思議もないし、コックリさんみたいな遊びも流行っていない。


噂だって聞いたことなかったのに。
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