幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
*
トイレで用を足して、あたしはふと、日向ぼっこをすれば冷えた体が温まるんじゃないかと思い至った。
同じ階にあるバルコニーなら古くなって放置された椅子もあるし、さすがに夏だから人もいないだろう。
あたしはまだ冷たい肌をさすってバルコニーへと向かう。
「あれ、人がいる」
日当たりのいいそこには、3人の先客がいた。
スリッパの色が青色だから、3年生の先輩だろう。
美保さんや白川先輩の2年生は緑、あたしと藤原の1年生は赤色だ。
別にバルコニーが誰のものって決まっているわけではないし、あたし1人が入ったところでぎゅうぎゅうになるってわけでもないけど、うーん、少し気が引ける。
そうなると、残念ながらあたしは冷房地獄へ帰るしかないわけで。
でもまぁ、左腕に巻いた包帯のところだけ日に焼けなくて、跡になっちゃうのも嫌だし。
予定変更。
あっさりと諦めて、くるりと踵を返す。
しかし、聞き覚えのある名前が耳に届いて、あたしは思わずその足を止めた。
トイレで用を足して、あたしはふと、日向ぼっこをすれば冷えた体が温まるんじゃないかと思い至った。
同じ階にあるバルコニーなら古くなって放置された椅子もあるし、さすがに夏だから人もいないだろう。
あたしはまだ冷たい肌をさすってバルコニーへと向かう。
「あれ、人がいる」
日当たりのいいそこには、3人の先客がいた。
スリッパの色が青色だから、3年生の先輩だろう。
美保さんや白川先輩の2年生は緑、あたしと藤原の1年生は赤色だ。
別にバルコニーが誰のものって決まっているわけではないし、あたし1人が入ったところでぎゅうぎゅうになるってわけでもないけど、うーん、少し気が引ける。
そうなると、残念ながらあたしは冷房地獄へ帰るしかないわけで。
でもまぁ、左腕に巻いた包帯のところだけ日に焼けなくて、跡になっちゃうのも嫌だし。
予定変更。
あっさりと諦めて、くるりと踵を返す。
しかし、聞き覚えのある名前が耳に届いて、あたしは思わずその足を止めた。