幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
*
「随分遅かったな」
生徒会室に戻ると、白川先輩が冷房の温度を下げながらあたしを振り返った。
「はるちゃん、お腹でも壊した?」
「違いますよぅ。ちょっと気になることが……ってあれ?岩橋さん?」
生徒会室には岩橋さんが来ていて、中央にある会議テーブルの端にちょこんと腰掛けていた。
軽く会釈すると、岩橋さんはこんにちはと返してくれる。
「何かあったんですか?」
「様子を聞きに来てくれたんだって。ちょうどホワイトボードの内容を説明したところ」
美保さんが岩橋さんの代わりに答えて、あたしはあぁ、と適当な相槌を打った。
岩橋さんにいい報告が出来ないのは、あたしたちが不甲斐ないからだ。
もう調査も3日目。
夏休みの終わりも、すぐそこまで迫ってきている。
このままじゃ、あたしは本当に探偵ごっこをしていただけだ。
「金森さん、怪我したって……本当にごめんなさい。大丈夫?」
おまけに岩橋さんはそう言って謝る。
あたしは懸命に首を振って、岩橋さんのせいじゃないと伝えたけど、岩橋さんは眉を下げて心配そうにしていた。
「随分遅かったな」
生徒会室に戻ると、白川先輩が冷房の温度を下げながらあたしを振り返った。
「はるちゃん、お腹でも壊した?」
「違いますよぅ。ちょっと気になることが……ってあれ?岩橋さん?」
生徒会室には岩橋さんが来ていて、中央にある会議テーブルの端にちょこんと腰掛けていた。
軽く会釈すると、岩橋さんはこんにちはと返してくれる。
「何かあったんですか?」
「様子を聞きに来てくれたんだって。ちょうどホワイトボードの内容を説明したところ」
美保さんが岩橋さんの代わりに答えて、あたしはあぁ、と適当な相槌を打った。
岩橋さんにいい報告が出来ないのは、あたしたちが不甲斐ないからだ。
もう調査も3日目。
夏休みの終わりも、すぐそこまで迫ってきている。
このままじゃ、あたしは本当に探偵ごっこをしていただけだ。
「金森さん、怪我したって……本当にごめんなさい。大丈夫?」
おまけに岩橋さんはそう言って謝る。
あたしは懸命に首を振って、岩橋さんのせいじゃないと伝えたけど、岩橋さんは眉を下げて心配そうにしていた。