幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
*
「えっと、つまり部室のポルターガイストが呪いだと噂されるようになった原因の、演劇部員のお母さんに会ってきたってこと?」
「正確には電話で話した。本当は会う予定だったけど、電話になって時間が余ったからこっちに」
「記憶力化け物じゃん……」
岩橋さんがさらっと言ったことなんて、あたし今藤原に言われるまで記憶の彼方だったのに。
しかもあたしたちに言わずにってところが、完全に信用されてない。
どうせ連れてけって言ったって、うるさいからお前は来るなとかなんとか嫌味言われてたんだろうけど。
「なんで私たちに相談しなかったの?」
「手がかりになるかも分からないことだったので、全員が無駄に時間をかける必要はないかと」
「一理あるな。それで?どうだった?」
白川先輩は食い気味で尋ねる。
「大体は岩橋さんが話してくれたことと同じで、詳しく聞けたのは部員間の軋轢ですね。発端は6月中頃、『青嵐』の主演の嵐役を期待されていた山名千尋に取って代わって、演劇の名門校から転校してきた満島のどかが嵐役に選ばれたことにあります」
「満島のどかって、あのワンピース作ったのどかさん!?」
「そうらしい」
うそ、千尋さんと同じ代だったんだ。
あれ?
でも部室の壁にはのどかさんの名前はなかったような……。
話の腰を折られた藤原は、一つ咳払いをして、もう一度口を開いた。
「えっと、つまり部室のポルターガイストが呪いだと噂されるようになった原因の、演劇部員のお母さんに会ってきたってこと?」
「正確には電話で話した。本当は会う予定だったけど、電話になって時間が余ったからこっちに」
「記憶力化け物じゃん……」
岩橋さんがさらっと言ったことなんて、あたし今藤原に言われるまで記憶の彼方だったのに。
しかもあたしたちに言わずにってところが、完全に信用されてない。
どうせ連れてけって言ったって、うるさいからお前は来るなとかなんとか嫌味言われてたんだろうけど。
「なんで私たちに相談しなかったの?」
「手がかりになるかも分からないことだったので、全員が無駄に時間をかける必要はないかと」
「一理あるな。それで?どうだった?」
白川先輩は食い気味で尋ねる。
「大体は岩橋さんが話してくれたことと同じで、詳しく聞けたのは部員間の軋轢ですね。発端は6月中頃、『青嵐』の主演の嵐役を期待されていた山名千尋に取って代わって、演劇の名門校から転校してきた満島のどかが嵐役に選ばれたことにあります」
「満島のどかって、あのワンピース作ったのどかさん!?」
「そうらしい」
うそ、千尋さんと同じ代だったんだ。
あれ?
でも部室の壁にはのどかさんの名前はなかったような……。
話の腰を折られた藤原は、一つ咳払いをして、もう一度口を開いた。