幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
「……なんか、可哀想だなぁ」
「可哀想?」
私の呟きに美保さんが聞き返す。
「だって、こんな影の薄い生徒会の目安箱に入れるくらい追い詰められてるってことじゃないですか。よっぽど深刻なんだろうなって」
どんな呪いかは分からないけど、あたしだったら自分の生活の一部に得体の知れないものがあるのはすごく嫌。
目に見えるものより、目に見えないものの方が怖いのは、目に見えないものが何か分からないからだ。
もしも呪われているのが生徒会室なら、と考えるとゾッとする。
ふぅ、と白川先輩が息を吐いた。
「とにかく、話を聞いてみるしかないだろうな。呪いとやらもどんなものか分からないわけだし」
美保さんが賛成、と続ける。
藤原は相変わらずスマホに見入っていたけど、ヘッドフォンは外していた。
彼なりの参加表明なんだろう。
あたしも頼りない文字が乗ったルーズリーフを丁寧に折りたたみ、制服のポケットに滑り込ませる。
「いっちょ解決してやりますか!」
こうして、あたしたちは演劇部の元へと向かったのである。
「可哀想?」
私の呟きに美保さんが聞き返す。
「だって、こんな影の薄い生徒会の目安箱に入れるくらい追い詰められてるってことじゃないですか。よっぽど深刻なんだろうなって」
どんな呪いかは分からないけど、あたしだったら自分の生活の一部に得体の知れないものがあるのはすごく嫌。
目に見えるものより、目に見えないものの方が怖いのは、目に見えないものが何か分からないからだ。
もしも呪われているのが生徒会室なら、と考えるとゾッとする。
ふぅ、と白川先輩が息を吐いた。
「とにかく、話を聞いてみるしかないだろうな。呪いとやらもどんなものか分からないわけだし」
美保さんが賛成、と続ける。
藤原は相変わらずスマホに見入っていたけど、ヘッドフォンは外していた。
彼なりの参加表明なんだろう。
あたしも頼りない文字が乗ったルーズリーフを丁寧に折りたたみ、制服のポケットに滑り込ませる。
「いっちょ解決してやりますか!」
こうして、あたしたちは演劇部の元へと向かったのである。