幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
*
「本当にありがとう……!」
深く頭を下げる岩橋さんたちに、あたしたちははにかんで顔を見合せた。
面と向かってお礼を言われるのって結構照れくさい。
「お役に立ててよかったです。行き詰まってばかりでどうなることかと思いましたが」
白川先輩は心底ほっとした表情で笑う。
むわむわと暑さと湿気が篭もる体育館では、既に撤収作業が始まっていて、岩橋さんはその作業を抜けてお礼に来てくれたのだ。
公演中は夢中になっていたから気にならなかったけど、今になって汗が吹き出す。
体育館ってもうちょっと風通し良くならないのかな。
「これであとはちゃんと完成した『青嵐』を公演するだけですね」
美保さんが言うと、岩橋さんは目を細めて、可愛らしい笑顔を浮かべた。
久しぶりに見る笑顔だ。
この笑顔を取り戻せたのだと思うと、どうしても頬が緩んでしまう。
人間、やっぱり笑っていた方が幸せだ。
千尋さんも、今は笑えているだろうか。
笑っていてくれると嬉しいな。
お芝居をしている千尋さんは、とても楽しそうだったから。
「本当にありがとう……!」
深く頭を下げる岩橋さんたちに、あたしたちははにかんで顔を見合せた。
面と向かってお礼を言われるのって結構照れくさい。
「お役に立ててよかったです。行き詰まってばかりでどうなることかと思いましたが」
白川先輩は心底ほっとした表情で笑う。
むわむわと暑さと湿気が篭もる体育館では、既に撤収作業が始まっていて、岩橋さんはその作業を抜けてお礼に来てくれたのだ。
公演中は夢中になっていたから気にならなかったけど、今になって汗が吹き出す。
体育館ってもうちょっと風通し良くならないのかな。
「これであとはちゃんと完成した『青嵐』を公演するだけですね」
美保さんが言うと、岩橋さんは目を細めて、可愛らしい笑顔を浮かべた。
久しぶりに見る笑顔だ。
この笑顔を取り戻せたのだと思うと、どうしても頬が緩んでしまう。
人間、やっぱり笑っていた方が幸せだ。
千尋さんも、今は笑えているだろうか。
笑っていてくれると嬉しいな。
お芝居をしている千尋さんは、とても楽しそうだったから。