幽閉の鬼火〜榊第一高校生徒会の怪奇譚〜
ドンッドンッと地響きがする。


扉はどれだけ力を込めようともビクともせず、それでもこじ開けようとすると、白川先輩の体が弾かれるように床に転がった。


「慎司くん！」


藤原が駆け寄って、顔を顰めた白川先輩を支える。


あたしと美保さんも駆け寄ろうとすると、一層強い衝撃があたしたちを床に叩きつけた。


ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン


その音はまるで怒り狂ったように、体育館中に響き渡った。


小道具は宙を舞い、激しい音を立てて壁にぶつかる。


あの時と同じだ。


人間じゃない誰かが、ここにいる。


どうしよう。


このままじゃあの火が移って、全員が焼け死んでしまう。


その前に、一酸化炭素中毒になって死んでしまうんだろうか。


分からない。


どうしてこんなことになったの。


あの火はどこから出てきたの。


あたしたちはどこで間違っていたの。


一体、誰が……。
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