僕の彼女はかっこいい






中学校の入学三日前、朝起きるとお母さんはいなかった。


代わりにテーブルの上に置いてあった離婚届がどういう意味を示しているのかは、もう理解は出来た年頃だった。



お父さんは大して慌てもせず、少し落胆した表情を見せたあとすぐに私に大丈夫だよと言った。



何が大丈夫なのか、どう大丈夫なのかも分からないまま、私はただただ悲しむことをしてはお父さんに悪いと何故か思って頷いた。



元々両親は仲が良いというわけではなかった。

夜中に喧嘩していたのを知っている。


それでも私の前ではいつも笑っていたから、そこまで理由は気にならなかった。







そんなことよりも、私はお母さんに捨てられたんだと心が急速に冷えていった。






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