僕の彼女はかっこいい
しょうちゃんが裁縫得意なんて聞いたことないと思いながらも、衣装の元となる図と布を渡す。
布はもう切ってあるからあとは縫うだけだった。
ミシンを持ってくるとしょうちゃんは何も聞かずにセットして、図を見ながら作りはじめた。
「しょうちゃんすごい。」
「なんかこういう細かい作業得意みたいなんだ」
少し得意気になるしょうちゃんを可愛いと思う。
「ねぇ、しょうちゃん」
「ん?」
「本当に甘えていいの?」
しょうちゃんのミシンの手が止まる。
ちょっと考えてから真剣な顔で私のほうを向いた。
「みなみが甘えてきてもわがまま言っても、ひどいことを言ったとしても嫌いにはならないよ。百歩譲って、この先色々あってみなみのことを好きじゃなくなることがあったとしても、嫌いになることは絶対ない、言い切れる」