僕の彼女はかっこいい
「みなみ、ちょっときて」
みなみの腕を掴んで、人を避けるように廊下の端に連れていく。
「どうしたの?」
多分、高校一年から夏休みにがっつり勉強するというのが想像できないのだと思う。
少し気にして発言したほうがいいと口にしようとして辞めた。
別に勉強が全てじゃないし、幸い僕達の成績はそこまで悪くないし、あそこでの発言を注意するのもおかしいかと考え直す。
「夏休み初日の花火大会は行ける?」
一番近くの花火大会のことを言うと、少し不安げだった彼女の顔が明るくなった。
「うん、今日咲良と浴衣買いに行くんだ」
嬉しそうな彼女の顔を見て、僕の口元が自然と緩むのを感じた。