僕の彼女はかっこいい
「昨日の代表挨拶した子と知り合いなの?」
席につくと近寄ってきたのは、同じクラスになった友達の祐介だった。
朝一緒に来たのを見かけたらしい。
「幼なじみなんだ」
「可愛い子が幼なじみって羨ましいな」
彼女側の立場からしたら、僕が幼なじみってことは羨ましくもなんともないだろう。
「付き合ってるの?」
「まさか、ただの幼なじみだよ」
聞かれるだろうと思っていた問いに、用意していた言葉を紡ぐ。
その言葉を聞くと、祐介は別の話題を話し出した。
少し気になっただけで、大した興味はないのだろう。
“ただの幼なじみ”
この先この言葉を僕は一体あと何回、口から出すのだろう。