僕の彼女はかっこいい





「すごいな、お前の幼なじみ。みなみちゃんだっけ?欠点がないって、次元が違うって里帆が言ってた」



里帆とは祐介の彼女のことだ。


大人しい背の低い女の子で、祐介とお似合いだと思う。




「昔から苦手なことがあっても、努力で平均以上が出せるんだよ」




……でも掃除は苦手だな。

ホラー系や虫も苦手だし、雷は平気だけど暗いのも得意じゃないから、未だにぬいぐるみと一緒に寝てる。


冬生まれのくせに寒いのも苦手だし、そのわりに雨は好きという変なところもある。


勉強の暗記系は得意なのに、人の名前覚えるの苦手だし。


ねぎが嫌いという子供っぽいところもある。




僕の知っている彼女は案外普通の女の子だ。










「すごいな、そんな子と一緒にいれるって幼なじみの特権いいな」



近くにいる祐介でさえ、彼女との仲を疑わないなんて余程ないと思われているのだろう。




「いいことばかりじゃないけどな」


そういった僕の言葉は休み時間を終えるチャイムの音でかき消された。





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