僕の彼女はかっこいい
side 翔平
彼女から電話が来たのは22時少し前だった。
「今から帰るんだけど、しょうくんのとこちょっと行ってもいい?」
その言葉に驚く。
こんな時間まで親睦会やっていたのか。
僕の家族とも仲良い彼女は普段はアポなしで来るのだが、さすがに夜から来るときだけは連絡してくる。
夜いる場合のほとんどが夕方から来て、晩ごはんを一緒に食べて、日付変わる前に帰ることが多いから、この時間から来るというのは珍しい。
「……いまどこ?」
「学校の近くの駅だよ。これから電車乗るところだから、あと30分くらいかかっちゃうんだけど」
夜道を一人で歩くつもりか。
駅からこのマンションまでは歩いて10分くらいだが、ずっと明るい道ではない。
マンションの近くになると、少し人通りが少ない道に入る。
「迎えに行くからこっちの駅ついたら待ってて」