僕の彼女はかっこいい






そう言った瞬間、彼女が離れようとするのを今度は僕のほうが抱きしめて離れないようにする。


初めて抱きしめた彼女はとても柔らかく、小柄ではないはずなのに僕の胸にすっぽりと収まるくらい小さく感じた。



「ちょっと今顔見ないで、恥ずかしいから」


僕がそう言うと、彼女は返事する代わりに僕のシャツをぎゅっと掴んだ。




どっちのか分からないくらいにお互い早い鼓動が重なる。


ああ、痛い。

胸がとてつもなく痛い。




いつもは一緒にいるとむしろ落ち着くくらいなのに、触れるだけでこうも違うものか。






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