激おこ転生幼女のモフモフ無双！

　俺は賑やかな二体のやり取りを尻目に、フローラとその周囲の状況から目線を逸らさなかった。
　見つめる先、ゴンザレスの豪奢な衣服はたちまち焼け落ちて、奴の弛んだ体はマント一枚が残るだけになっていた。縫い留められたマントの端で粗末な股間を必死に隠しながら泣き喚く奴の姿に、皇帝の威信は微塵も感じられない。
　長い独裁に苦しんできた民衆はもちろんのこと、臣下の中にも奴を助けようとする者はなく、皆一様に侮蔑の篭る目で奴を仰ぎ見ていた。フローラが激しい怒りを燃やす幼竜捕獲の一件について、ゴンザレスは自ら「もう二度と竜には手出しをしない」と誓いを立て、必死に詫びを繰り返した。
　そうして「なんでも言うことを聞く！　どうか、命だけは助けてくれ！」と泣き叫ぶゴンザレスに対し、ついにフローラが口を開いた。