激おこ転生幼女のモフモフ無双！

《っ、フローラ大変よーっ!!》
　ところがだ、私の念願のモフモフライフが、他ならないスカーレットの叫びによって中断された。
　青褪めた顔をして駆け寄り、涙ながらに訴えるその姿に、緊張が全身に走り抜ける。
　再びの進軍か!?　はたまた、自然災害か!?
「どうしたの!?　またどっかが攻め込んできた!?」
　弾かれたように心地よいモフモフの懐から起き上がり、スカーレットに問いかけた。
《壊れた！　壊れたの！　壊れちゃったのよぉおおおっっ！》
　ブワッと涙を迸らせて、それこそ壊れてしまったかのように、スカーレットは《壊れた》の一語を繰り返した。
　スカーレットの狼狽振りを見るに、とんでもない被害も想定された。これは、急いで救助に向かわないと……！
「どこが壊れたの!?　もしかして、モーリダ大橋!?　それとも、公民館の離れ!?」
　咄嗟に脳内で、領内で老朽化が深刻視されていた場所を弾き出して畳み掛ける。しかしスカーレットは、ブンブンと首を横に振るばかり。
《違うわ。壊れちゃったのは、噴水よぉ！》