激おこ転生幼女のモフモフ無双!
我が家の庭を、色とりどりのモフモフが、みっちりと埋め尽くしているではないか――!
ライムグリーンにレモンイエロー、ライラックにアプリコット、アイボリーにアンティークローズ……やわらかで優しい色味のオンパレードに、昨日は根性で堪えたはずの鼻血がポタリと垂れた。
こそこそと拭い、目を皿にしてガン見を続行していると、モフモフたちの中にちょっとぼそつく毛皮をした一匹を見つけ、首を捻る。
「……あの子だけ、なんだか全体的にボリュームがないみたい」
その一匹は、日本で「見た目おじいちゃん」との呼び声が高かった犬種、シュナウザーをそのままドラゴンにしたような風貌だった。
しかも他のドラゴンが皆、まるまるとした二頭身ルックなのに対し、その子だけリアルにシュナウザーのよう。……要は、他と比べ、圧倒的にボリュームがない。
《え!? ……うそ、爺やがいるわ!》
スカーレットがシュナウザーっぽいその子を目にするや、狼狽した声をあげる。聞き付けたフレンドラさんがすぐにやって来て、窓下を覗く。