独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする【番外編】
「意外と強情だね。でも、いつまでもつかな」
樹さんが私の手首を掴み、力を込める。
「あっ」
彼の強い力には抗えない。
なすすべもなく手を引かれたままリビングまで移動すると、ソファに押し倒されてしまった。
「さあ、白状してもらおうか」
私を組み敷いた樹さんの口角が上がる。
これは、なにかよからぬことを企んでいるときの表情だ。
顔を引きつらせて、私に覆い被さる樹さんを見つめた。
スカートの中に大きな手が忍び込んできて、太ももをゆっくりなでていく。
「んっ」
予期せぬ動きに惑わされ、思わず声が漏れてしまった。
慌てて口を手で押さえると、あろうことか樹さんの指先が下着にかかった。
「さあ、どうする?」
「うっ」
樹さんが動きを止めて私を見下ろす。
明るい部屋で下着だけを脱がされるのは、恥ずかしすぎる。
悔しいけれど、我慢比べは私の負けだ。
これ以上“あのこと”を隠し通すのは不可能だと、羞恥心を煽る作戦に白旗を掲げた。
「じ、実は太ってしまったんです!」
「は?」
樹さんが瞬きを繰り返している間に、体を起こした。