独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする【番外編】
「顔が丸くなったし、二の腕はプルプルしてるし、下っ腹もプヨプヨだし、お尻なんて」
「どれどれ?」
「あっ!」
まだ話の途中なのに、樹さんが私のお尻に触れた。
「とてもいい触り心地だけど?」
「も、もう」
「ごめん、ごめん」
意地悪する樹さんを軽く睨んだ。
「こうなったら、ドレスを新しく作り直す?」
「それじゃあ、結婚式に間に合わないですよ」
フルオーダーのドレスが出来上がるのは、どんなに急いでも三カ月はかかる。
「じゃあ、レンタルは?」
「あのドレスじゃなくちゃ、絶対に嫌」
素材はもちろんのこと、デザインにもこだわったあのドレスは世界に一着しかない。
今になって、妥協はしたくない。
「だったら、これから一緒に運動するしかないな。少しは体重が落ちるはずだよ」
苦手な運動を勧められても、気がのらない。
返事もせずに黙り込んでいると、樹さんが唇の端を上げて微笑んだ。
「大丈夫だよ。俺に任せて」
もしかしたら運動音痴な私にでもできる、簡単なエクササイズを知っているのかもしれない。