ラグジュアリーシンデレラ
「結野さん、亀山さんと出社、一緒だったの?」

「はい、エレベーターで一緒になって。」

「そう。私、あの人なんだか苦手なのよね。」

分かる。私は苦手っていうよりも、既に敵だ。


「今日の仕事はっと、うわっ!会議資料の手伝い。」

「それがどうかしたんですか?」

「1カ月に一度、新作発表会をするんだけど、その資料を作るの。その主体が、あの!亀山さんなのよ。」

「えっ!亀山さん、そんな事まで!?」

社長秘書なのに、手広い!

「あの人、スタッフの時代からこれやっていて。それで認められて秘書になったぐらい。」

「力が入っちゃう訳ですね。」

私と留美子さんは、うんと頷いた。


「でも、新作発表会って、我々が事務用品を開発するんですか?」

「そういう時もあるわ。でも、ほとんど事務用品会社の新作を、いち早く探してカタログに載せるのが仕事。」

「はあ。他の会社よりも早くって、ところですね。」

デスクに座ると、留美子さんのデスクの、物の多さに気づく。

「留美子さんのデスク、いろんな物がありますね。」

「結野さんもいづれ、こうなるわよ。」

たくさんの事務用品が並んでいる。

さすが、事務用品を扱う会社だ。
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