ラグジュアリーシンデレラ
「そうだ。」

留美子さんは、自分の棚から今期のカタログを、私にくれた。

「今のうちに、自分で使う事務用品、発注した方がいいわよ。」

「わざわざ発注するんですか?お店に売ってるのに?」

すると留美子さんは、腰に手を当てて、自信満々に言った。

「自分の会社が扱っている事務用品がどんな製品なのか、実際発注して使うのも、仕事の一つよ。」

「そうなんですね。」

こんなに分厚いカタログから、自分が使う事務用品を買うって、大変そう。

「でも大丈夫。ウチは、HP充実しているから、ちょちょっと検索すれば出てくるって。」

「そ、そうですよね。」

留美子さんは慣れているからそう言うけれど、私はまだ入って数日しか経っていない。


「さあ、新作発表会だけど。会社にいる日数が浅いから、今回は結野さん免除されると思うの。だから、今回は私が資料を作るのを見て、次回から自分で作れるようにお願いね。」

「次回からですか。」

次回がいつ開催されるか分からないけれど、私みたいなぺーぺーでも、会議に参加するんだ。

「大丈夫。自分で事務用品を、一から作れって言ってる訳じゃないから。」

「はい。」

「まずは、サイトを立ちあげてと……」

それから留美子さんは、会議の資料の作り方を、いろいろ教えてくれた。
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