ラグジュアリーシンデレラ

そして、お昼の時間になった。

私は密かに、林人さんのお弁当を作って来たんだけど、渡せるかな。


お弁当を持って来た事をLINEで伝えると、”やったぁ”と、可愛らしい言葉が返って来た。

【資料持ってくる振りして、社長室に持って来て。段ボールに入れれば分からないから。】

なるほど。段ボールね。

キョロキョロと見回すと、留美子さんがトイレから戻って来た。

「どうしたの？結野さん。」

「あっ、ちょっと段ボールを探していて。」

「段ボールなら、あそこにあるわよ。」

教えられたのは、オフィスの棚の端だった。

「ありがとうございます。」


誰にも見られないように、小さな段ボールを持って来て組み立て、その中にサッとお弁当を入れた。

「何でお弁当、段ボールの中に入れてるの？」