ラグジュアリーシンデレラ
「仕事が終わったら、詩歌の事はもういい。今は結野と一緒にいる事が先決だ。」

「林人さん……」


そしてエレベーターで一旦下に行き、ホテルの部屋を取った。

「生憎、本日はもうスイートルームしか、残っておりませんでして。」

「ちょうどよかった。スイートルームにするよ。」

「えっ!」

土曜日のスイートルームって、とてつもなく料金が高いんじゃ。

「り、林人さん。他のホテルでも私、いいですよ?」

「いいんだ。スイートルームの方が、都合がいい。」

「ええ?」

そんな事を言っている間に、私はエレベーターホールに連れて行かれ、ビルを57Fまで上がった。


「ここは……ひゃああ!」

そこはこのビルの展望台で、もう陽も落ちているから、100万ドルの夜景が見れた。

「素敵……」

私は一歩一歩窓に近づくと、その灯りを手にしたように、心がいっぱいになった。

「いいだろう?この夜景、結野に見せたかったんだ。」

「ありがとうございます、林人さん。」
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