ラグジュアリーシンデレラ

林人さんを見ると、私に笑いかけてくれている。

それで安心する。

「さて、りずさん。その俺達の婚約の話なんだが、両親を通じて、お断りを入れたはずなんだが。」

「両親からお話を伺いました。でも、私の両親も林人さんのご両親も、そんな事は認められないと、仰っているわ。」

「認めないって……」

林人さんが、頭を項垂れる。

頑張って！林人さん。

「りずさん。俺はもう、この結野と婚約したんだ。結野と結婚する。君とは結婚できない。」

すると朝倉さんは、鋭い目で私達を見た。

「取引先との見合いを断るなんて、どうなるか分かっているの？」


ああ、怖い。

ご両親とか、取引先とか言う前に、この人が怖い。


「あなたはどうなの？」

そして矛先は、私にやって来た。

「どうって……私は、林人さんと結婚するつもりです。」

「はははっ！」

朝倉さんは、すごい勢いで笑っている。

「あなた、いつもそんな服装をしているの？」

「えっ、はい。」