ラグジュアリーシンデレラ
「はい。どうやら、御曹司だったみたいで。」

「おおっ!」

留美子さんは、私を指差した。

「玉の輿。」

「言うと思いました。」


社長室を見ると、林人さんも亀山さんも困っている。

確かに亀山さんの仕事を見ていると、秘書1人では大変だなと思う訳で。

もう一人秘書を雇ってもいいんじゃないかと思うのと。

そして林人さんの秘書は、阿吽の呼吸の亀山さんじゃないと、できないのは分かっている。

でも、このままでいいの?

やたら、りずさんは取引先のどうのこうの言ってくるけれど、本当に取引を止めてしまったら?

この会社はどうなるの?


「留美子さん。私達が壁になるのは、有なんでしょうか。」

「壁になる?どういう意味?」

「その……りずさんを、私達の方に迎えると言うのは。」

すると留美子さんは、震えだした。

「あの素性の分からない女を?本気なの?」

「ダメでしょうか。」

留美子さんは、息を吐いた。
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