ラグジュアリーシンデレラ
「こうなったら、社長。私は朝倉さんと一緒に仕事をしても構いません。」

「詩歌……」

「私が社長を、お守り……」

「待って下さい!」

私は亀山さんとりずさんの間に立った。


「りずさんには、秘書ではなく、スタッフとして働いて頂くというのは、如何ですか。」

「えっ?何を言っているの?」

亀山さんは、まだ難しい顔をしている。

せっかくの美人顔が台無しだ。

「留美子さんも、一緒に働いてもいいと言っているので、ぜひ。」

私はぺこりと、頭を下げた。

その瞬間、りずさんから低い笑い声が聞こえてきた。

「考えたわね。」

りずさんが作り笑いをしながら、私の前に立つ。

「私と直接対決すると言う訳ね。」

「結野!」

駆けつけようとする林人さんを、亀山さんが抑えた。

「いいわ。スタッフとして、結野さんと一緒に働いても。」

「はい、そうしましょう。」

そう言ったけれど、私の声は震えていた。

これからどうなるんだろう。
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