ラグジュアリーシンデレラ
その日は、青志の了解を取って、林人さんとお泊りデートする事になった。

「結野、ごめん。助かった。」

まずはホテルの部屋を取って、一息ついていたところで、林人さんに頭を下げられた。

「ううん。だって、私にできる事なんて、このぐらいしかできないもん。」

「そんな事あるか。あのまま、りずさんを待たせていたら、どうなるか分からなかった。」

林人さんは、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「私、林人さんの役に立てて、嬉しい。」

私もぎゅっと、林人さんを抱きしめた。

「ああ、結野。」

林人さんは、私をベッドに押し倒した。


「結野。今日ほど、君を結婚相手に選んでよかったと思った事はないよ。」

「そんな大袈裟な。」

「大袈裟じゃないよ。」

林人さんが私にキスをする。

「ふぁ……り、林人さん……」

「結野、愛している。」

林人さんの手が、私の胸を触った時だ。


部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「何だろう。」
< 141 / 177 >

この作品をシェア

pagetop