ラグジュアリーシンデレラ
「断られた立場?」

りずさんは、次から次へと零れる涙を拭く。

「あの人は、結婚を破断になった。私達の世界では、そんな事嫌でも広がるの。そうしたら私、他に婚約者なんてできないわ。私にとって結婚は、林人さんとしか有り得ないのよ。」

そしてまたおいおいと、泣くりずさん。

大変な世界なんだ。

でも、だからと言って気持ちのない結婚をしたって、りずさんも傷つくだけよ。

「あの、りずさん。」

「あなたは黙って!」

急に怖い顔で、睨まれた。


「ねえ、分かってくれるでしょう?林人さん。」

「はぁー。」

林人さんは、すごく困っている。

分かる。無下な態度を取って、取引先がぱぁーになったら、仕事にも影響出るし。

確か、まだ小さい会社だった頃から、りずさんのお父さんに面倒見て貰っていたって言うから、恩義も感じているだろうし。

「りずさん。この話は、またご両親を交えて、相談しよう。」

「もうっ!そうやって、いつもはぐらかすんだからっ!」

りずさんは、そう言って林人さんに、抱き着いた。

「りずさん、止めてくれ。結野の前で。」

「あら、彼女も立場を分からない程、馬鹿な子じゃないんでしょう?」
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