ラグジュアリーシンデレラ
その時に、りずさんがランチから帰って来た。

「りずさん。今、社長室に……」

「パパ!」

私の話を聞かずに、りずさんは弾む足取りで、社長室に入って行った。

普通なら、自分の親が職場に来たら、嫌がるのに。

そして何やら、私の方を見て、話をしている。

えっ?何? 私の事を話してるの?


すると社長室のドアが開いて、亀山さんが私を呼ぶ。

「留美子さん、私、呼ばれちゃいました。」

「うん。何があるか分からないけど、頑張って。」

留美子さんに励まされ、私は社長室に入った。

「お呼びでしょうか。」

「ああ、君を呼んだのは、この私だ。」

漫画に出てきそうな、いかにもお金持ちのパパって感じ。

その隣には、りずさんがちゃっかり座っている。


「君が、林人君と婚約しているという人だね。」

「はい。」

「率直に言おう。林人君を思うなら、早々に別れた方がいい。」

私は目を閉じた。
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