ラグジュアリーシンデレラ
「どうしてそうなるんだ。」

後ろから林人さんの声が聞こえてきた。

「俺は、何があっても、結婚する相手は結野だって決めている。」

胸がきゅんとなる。

一日に何度聞いても、きゅんきゅんとして、林人さんに抱き着きたくなる。


「林人さんは、黙っていて貰えますか。」

りずさんは、林人さんに迫った。

「林人さんは、私が諦めるのを待っているようだけど、私は諦めないわ。」

「りずさん。」

「新作発表会、私が勝ったら、私と結婚して頂きます。」

りずさんは、もう勝ったような振りをしている。

「私だって、負けないわ!」

新作発表会、ドキドキで選ばれるかどうか分からないけれど、林人さんとの未来がかかっているって言うのなら、勝ってみせるわ。

「それが、呆れると言うんだ。」

林人さんは、私達を厳しい目で見た。

「いいか。俺のいない間に、俺を賭けて勝負をするんじゃない。」

「はい。」

私は返事をしたけれど、りずさんは返事をしない。

そうでもしなきゃ、諦らめられないって感じだ。
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