ラグジュアリーシンデレラ
「その時社長は、おいくつだったんですか!」

「林人さんは22歳。ちょうど会社を立ち上げた時よ。パパが、林人さんの才能を認めて出資したの。この恩は、娘との結婚で返せって。その時からパパは、林人さんを娘婿として扱っていたのよ。」

「ええー。」

そんな……だったら、本当にりずさんと結婚しないと、林人さん、ヤバイのでは。

頭が重くなった。

どうやら諦めるのは、私の方?


「じゃあ、結野さんの方は?」

りずさんと留美子さんが、私を見る。

「ああ、私の方は……」

何で林人さんに拘るのか、それは……

「私も林人さんに惚れているからだと思います。」

それしかない。


初めて会った時に、なんてカッコいい人なんだろうと思った。

優しくて、紳士的で……

って、ん?私の好きって、そんなありきたりなモノ?


「とりあえず、二人共社長の事、好きなんですね。」

留美子さんは、はぁーっとため息をついた。

「でもここで大切なのは、社長の気持ちじゃないですか?」
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