ラグジュアリーシンデレラ
留美子さんは、りずさんを見た。

それにりずさんは、過剰に反応する。

「じゃあ、あなたは好きな人に彼女がいたら、諦められるの?私はできないわ!」

そう言ってりずさんは、自分のデスクに戻ってしまった。

「あの部分が、ネックなのよね。初恋なのかしら。」

留美子さんは、はぁーっとため息をついた。


もしりずさんの初恋の人が、林人さんだったら、今までずっと林人さんを想ってきたわけで。

ここ数カ月に出会った女に、負けられない気持ちは分かる。

私もそう考えると、はぁーっとため息をついた。


そして、もう一人ため息をつかれてしまった相手がいた。

林人さんだ。

「全く結野は。どうしてあんな話になったんだ。」

「あんな話って……」

「新作発表会で選ばれた方が、俺と結婚するって話だよ。」

「ああ……」

「ああ……じゃない!」

林人さんは、ホテルのベッドに私を押し倒した。

「俺は新作発表会は、そんな戦いの場にしたくない。」

「はい。」
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