ラグジュアリーシンデレラ
「それに、もしりずさんが勝っても、俺は結野と結婚する。何度も言ってるだろう。」

「うん。」

熱いキスにもう、身体が痺れてくる。

「今後一切、俺のいないところで、俺を諦めるとか決めないでくれ。」

林人さんは、真剣な瞳で私を見降ろす。

こんなに大切にされて、愛されているなんて、私はなんて贅沢者なんだろう。


「ところで、林人さんがそこまで私に拘る理由って、何なんですか?」

「拘る理由!?」

林人さんは表情が固まる。

「……結野を愛しているからだ。それだけだよ。」

「そう……ですよね。」

私は林人さんを押しのけて、起き上がった。

「私も聞かれたんです。でも、好きだからって、ありきたりな事しか言えなかった。」

「好きだって、十分な理由じゃないか。他にどんな理由があるんだよ。」

「うーん、例えば……一緒にいると、力になってくれるとか、安らぐとか……」

すると林人さんは、私を後ろから抱きしめてくれた。

「結野はそのままでいいんだ。そのままで俺は、十分に安らいでいるよ。」

私は、林人さんの手に触れた。

「……どうして王子様は、シンデレラを結婚相手に選んだのかしら。」

「えっ?またその話?」
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