ラグジュアリーシンデレラ
そして私は、ホテルで林人さんに会った時に、準備していた退職願いを出した。

「結野……」

「勤務年数が短い方が、退職金もかからないでしょ。」

そう言って微笑むと、林人さんは私をぎゅっと、抱きしめてくれた。

「ごめんな、結野。俺からこの会社に来てほしいって、言ったのに。」

「ううん。私はまた派遣に戻ればいいから。」

すると林人さんは、私の頬に手を当てて、情熱的なキスをしてくれた。


「いや、派遣に戻らなくてもいい。俺達、結婚しよう。」

「このタイミングで?」

私は林人さんと目を合わせた。

「今回の事で分かった。何かあった時に、結野が側にいてくれたらって。ダメか?」

私は首を横に振った。

「これから苦労もかけると思う。でも、結野がいたら乗り越えていけると思うんだ。」

「嬉しい、そう思ってくれて。」


そして、林人さんと私はベッドに横になった。

「どんなに辛い時でも、結野だけは離さない。」

「私も。どんな時も林人さんの元を離れない。」

私達はそう言うと、身体を重ね、これからの人生を共にする事を、再度誓い合った。
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