ラグジュアリーシンデレラ
青志には、私から話した。

「結婚!?」

「うん。入籍する事にしたの。」

ソファに横になっていた青志は、ガバッと起き上がった。

「この前、会社が傾きかけてるって、話してたじゃんか。」

「うん。そんな時だからこそ、林人さんを支えたいのよ。」

私は洗濯物を畳みながら、そう答えた。


「結婚式は?」

「しないわ。こんな大変な時に、式なんて挙げてられないわよ。」

「残念。姉ちゃんのウェディングドレス姿、見たかったな。」

そう言われると、私も寂しい気もするな。

両親にも、ウェディングドレス姿、見て欲しかった。


「住む場所は?」

「その事なんだけど……私、林人さんのところへ行っていいかしら。」

「いいよ。その方がいい。俺は俺でここに住んで、新しい家族を作るから。」

「頼もしい事言っちゃって!」

私は青志の背中を叩いた。

もうすぐ受験。

受かればいいな。青志の希望の大学。
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