ラグジュアリーシンデレラ
「今日から、ここの清掃かぁ。」

両親が死んで私は、事務系の派遣会社に入った。

でもそれだけじゃあ、弟との生活はままならない。

私はWワークの為、清掃会社にバイト契約。


この日先輩のおばちゃん達と向かったビルは、58Fまである高層オフィスビルだ。

何でも、隣に見えるショッピングセンターや向こうに見える病院、そしてこのオフィスビル界隈は、ヒルズビレッジと呼ばれ、お金持ちの為の生活場所なんだそう。

「立派なオフィスビルビルでしょ。」

「はい。」

「だからこそ、私達が毎日綺麗にしなきゃね。」

「はい。宜しくお願いします。」

と言っても、私は水・木しか入らないバイトなんだけどね。


先輩のおばちゃん、斉藤さんと一緒に向かったのは、オフィスビルゾーンの最上階の48F。

「ここから1階1階下に下がりながら、清掃していくんだよ。」

「分かりました。」

清掃は主にフロアに掃除機をかけるのと、窓のサッシの水拭きだ。

「もし来客があって、ほこりなんかがあったら、その会社の印象が悪くなるでしょう?だから、自分の会社の掃除だと思ってやるんだよ。」

「はい。」

最初は、サッシの水拭きから。

大変だけど、結構時給がいいんだよね、この仕事。

弟の大学進学の為にも、頑張らなきゃ。
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