ラグジュアリーシンデレラ
帰って来たのは、1時過ぎ。

両親が残してくれた家があったけれど、家のローンが払えずに、手放して今は、アパートに住んでいる。

せっかくの休みでも、掃除や洗濯、やる事があって忙しい。


「あら、結野ちゃん。元気?」

「こんにちは。」

この人はアパートの隣の人で、両親のいない私達を、何かと心配してくれている。

「そう言えば今日は仕事お休みだったのに、午前中いなかったわね。」

たまに干渉が過ぎるけれど、まあまあいい人だ。

「新しくバイト始めたので……」

「まあ、また仕事するの?」

「はい。」

するとまた、心配そうな顔をされた。


「こんな事言ったら、間違っているかもしれないけれど。」

お隣さんは、私の顔を覗き込んだ。

「結野ちゃん、綺麗なんだから仕事ばかりしていないで、恋愛したら?」

「は、はあ……」

何を言われるのかと思ったら、恋愛の話か。

「それかいい人とお見合いして、結婚したら?若いうちから仕事仕事って、いつか倒れてしまうわよ。」

「はい……」

「結婚したら、旦那さんに養って貰えるんですもの。そこまで働かなくてもよくなるでしょ?」

「そ、そうですね。」
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