ラグジュアリーシンデレラ
第3話 夢の世界
注文は、井出さんがしてくれた。

どうやら、コース料理を頼んでくれたらしい。

最初は、前菜から始まって、次々と料理が運ばれて来た。


「たくさん食べてね。」

「はい。」

この前もそうだったけれど、井出さんは私がパクパク食べるところを、楽しそうに見ている。

「井出さんは、小食なんですか?」

「そんな事はないけれど、何だろうね。結野ちゃんが美味しそうに食べているから、つい見とれちゃうんだよね。」

「はは……」

見られている方は、気まずいんだけどね。


「よく、こういうところに来るんですか?」

「ここはよく来るよ。仕事の接待に使うんだ。住んでる場所も近くだし。」

私は、ゴクンと息を飲んだ。

「……井出さんって、ここから見えるレジデンスに、住んでいるんですよね。」

「よく知っているね。」

「う、噂で聞いたので。」

すると井出さんは、料理をやっと食べ始めた。

「噂ね。他に何の噂聞いたの?」

「そのレジデンス、価格が一億を超えるとか。」

私と井出さんは、見つめ合った。
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